みんな知ってる噂のあの人

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 桜の花びらが舞っていて、私の肩やら背中に積もっていく。  春だ。今は出会いの季節と言われている、春だ。  そもそも、出会い別れというのは得てして人にどのような変化を生むのだろう。恋愛や友情、他にも多くの師弟関係や新たな立場につくのだってそうだが、本人にとってマイナスの心境なのか、プラスの心境なのか、いかにすればより良い出会いを……。  おっといかん。また悪い癖が出てしまった。  しかしそれでも、これくらいしかやる事が無いのだから、仕方がなかろう。  観察し、考える。これが私の趣味。いや、趣味なのだろうか、半ば強制されているような気もするが……。  まぁいい。どちらにせよ、観察し、考える。私にはこれしか出来ないのだ。  ああしかし腰が痛い。運動がしたいな。いや、どうすれば運動が出来るのかなど解らないが、運動という物の意味だけは解る。 「体を動かし……」  この先になど興味は無い。体が動かない私には関係が無い。  私は銅像。  通称、考える人。  なんとも言い難い。それしか出来ぬからしているだけだというのに、全く奴ら(製造者達)の思惑通りだ。  嗚呼。せめて誰か、私の上に山積みの、この花びらをどかしてくれ。
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