胎動

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とある世界… 砂漠しかなく、生命の息吹すら感じられないような場所が広がっている。 文明もない。と思いきや、一つの大きなドーム状の建物がある。 中は一見普通だが、地下が存在する。かなり深いところに何かのラボが存在している。 まわりには肉のような塊が培養器に一つずつ入っていて、培養器の中心あたりで浮いている。 奥には一際大きな培養器がある。 そこには『人間の男の子』が眠っているように浮いていた。 「長かった…」 そのすぐ側にいる1人の研究員が消え入るような声で呟いた。 「ついに、ついにだ…。研究に研究を重ね、やっとたどり着いた。全ての生命を燻し作り替えるためのキーカード。 そのプロトタイプ。人形に収められた悪魔の化身。我が願いは完遂される。」 切望に満ちた声。ラボ中に響き渡る。 「プロトタイプの始動を確認後、サーティーンズの最終調整をしようかねぇ。」 不気味に笑う研究員は隣にある画面を指でゆっくりと叩き始めた。 『Dr.Lickar.』 「うむ。さぁ始めようか。最強最悪のパーティーを!」 リッカーと呼ばれた研究員が最後のキーを押し終えた。
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