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シンスの言葉を完全に否定し、言葉を続ける。
「魔法ってのは魔力を使うもんだろォ?魔力ってのは意志によって動かすんだろォ?なら、表面に出てるヤツの意志じゃなくても、意志がありゃ動かせるわけだ」
「……つまり、普通の奴と同じ時間、訓練が出来てたわけだ?」
「そォだ。しかもそれだけじゃねェ。他のヤツらが接近タイプ、魔法タイプと悩んでる間に俺達は練習できた。とォぜんだよな?二人で一人、一人で二つ出来るんだから、悩む必要はねェ」
なるほど、確かに。
大抵の奴は訓練している途中などに、俺はこっちを選んでよかったのだろうか、などと考え止まらなくなることがある。その時間がないことも他の奴らより完成度が高い理由の一つか。
「ただなァ……。裏でも魔力を扱うことは出来るが、若干ラグが発生しやがるんだよなァ。だから眼鏡なんてクソめんどくせぇ変化を付けた方が効率的なんだよ」
「……お前らの都合は分かった。確かに二年でも勝てる奴はいるだろう。だがな」
相手が悪かったな、と告げ、魔力で体を覆う。接近戦タイプと判断したのだろう。
言われ、キョトンとしていたが、魔力を練り始めると鼻で笑った。
「ハッ、言ってくれるじゃねェか。なら証明してみろよ。俺達がお前に劣る、ってとこをよォ……!」
「言われなくとも、勝つのは俺だ」
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