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『7-0。陽花高校!ゲーム!』
「ありがとうございました!」
「あーっしたっー!!」
8回の裏、陽花は、1番稲見がセーフティバントで俊足を活かし、2番河野がバントで送る。土谷が2塁打で稲見が帰り、花房がホームラン。
計3点追加。
横須賀第一の選手らは、応援席に挨拶を終え、泣き崩れた。
ただ、主将の東条、エースの浦賀は、泣かなかった。
「おい!ベンチ早く片すぞ!」
「いつまでも泣いてるなよ!これからミーティングだっつの」
主将とエースの言葉に、選手らは、元気を振り絞り、「はい!」と声を腹の底から出した。
「おし、ベンチ出るぞ!これから反省会だ!」
陽花も同じく、ベンチを片し、ベンチから去る。
「おい、榎本、後でまた投げるぞ」
「え?もう試合は無い・・・・」
「馬鹿、ダウンだよ」
ベンチを出て、球場の外に出る。
「俺らが一番か」
「そうみたい」
潤一と、嶺王だけ、早く集合場所に着いた。
「いやー、もっと粘ると思ったがな、横須賀。大したこと無いんだな」
声がした。
潤一は、初めて耳にする声だった。
嶺王は、聞きなれた声だった。
何せ、3年間共にしたチームメイトだった。
嶺王は、驚きながらも、機嫌が悪そうに、顔をしかめた。
「耀・・・・・」
「よう、そいつか?俺の代わりはよ」
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