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その意見にKは、大いに頷いて。
「町の人は、殆どの人がそう思っているな」
するとポリアは、目を瞑り。
「じゃ、捜さなくていいんじゃない? そんなクズの為に、疲れるのも腹立たしいわ」
と、最終的な意志決定をし掛ける。
処が、だ。
「それが、そうもいかない様だぞ。 彼女は、例えそんな状態に陥っても、失踪しそうな女性じゃないんだよ。 だから、俺もこの依頼が気になったんだ」
Kの意見に、一時的に仲間と成った四人の視線が集まる。
マルヴェリータは、まだ話が見えないと。
「‘失踪する様な女性じゃない’・・って、どうゆう事? ポリアや私じゃ無いケド、嫌な相手と結婚させられるなんて、在る意味で地獄だわ」
自分が冒険者に成った経緯を、自分からバラしている様なものだが。 境遇を嫌って飛び出し、冒険者をする処からして、気概は在るとも言える。
ま、ポリアやマルヴェリータは、別にして。
問い掛けられたKは、
「まぁ、それが普通だわな~」
と、他人ごとの様に云う。
その曖昧さに、ポリアは裏が在ると感じる。
「‘普通’・・じゃないの?」
「ふむ。 彼女を知る町の人は、実に多い。 其処で、周りの人へ聴くにして。 クォシカという女性は、失踪の半月以上前に。 ラキーム氏との婚約をキッパリ、解消している」
この事実に、ポリア達の眼が開いた。 驚きからだろう。
「然も、亡くなった両親を、非常に大切にしていたらしく。 地元の町では、評判の働き者だそうな。 更に、上乗せで付け加えると・・。 彼女は亡くなった父親譲りの薬草取りの名人で。 町の薬師として人を助ける、芯の強いしっかりした女性らしい」
喉が渇いたマルヴェリータは、ワインを傾けてから。
「確かに、失踪しそうな雰囲気は、何処にも無いわね。 然も、婚約を解消してるだなんて…」
マルヴェリータのこの意見に、ポリアも、イルガも、頷いて見合った。
其処にKは‘トドメ’とばかりに。
「ついでに、今の現状を言うと…。 ラキーム氏は、二ヶ月後に結婚するとさ」
「はぁ?」
意味が解らないポリアが、困った顔をして。
「誰と?」
と、問い返せば。
Kは、下に指を向けて。
「このマルタンの街に居る、伯爵家の令嬢と、だとよ」
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