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はるか昔の事である。
人も鬼も精霊も、皆、仲良く暮らしておった。
人は寿命が短い。長い時を生きられる、者たちの力を授かりたい。それは、いつのまにか、欲望と邪気に変わり、精霊の宿る 木や動物を、殺して、口に入れたり、鬼の秘宝を盗んだり、それでも、欲望は、止まる事を知らなかった。
大和の国を建てた、大陸からの渡来民、大和民族は、人々の心を巧みに操りながら、鬼や精霊の秘宝や術を奪い、人々は、人間としての集団として、我が物顔に振る舞うようになった。
綱手姫は悩んだ。人も、そうでない者も、大好きであったから。
なんとか、この豊かな世界に、共に、仲良く、暮らせないものか。
しかし、人間たちは 次第に狂ったように、自分たちこそ万物の霊長、自分達こそが全ての世界を支配する者と 決めてしまう。
鬼と、人との戦は、そうして起こった。
人も、鬼も、たくさん死んだ。
戦いの最後、人の天子は、綱手姫を捕らえ、鬼の大将に迫った。姫の命が惜しくば、降参せよと。鬼共は 姫が好きであった。潔く、負けを認め、この世に住む事を諦め、霊堺へと去った。
綱手は、悲しくて哀しくて、鬼たちとの思い出のある大木に、祈りを込めて、宮を造った。
いつか、人も、自分たちの愚かさを、分かってくれるだろう。いつか、人と異堺の者たちとが、仲良く暮らせる日が来るように!
この世は、人間と、食料となる、動植物ばかりの世界ではないのです。
愚かさを、ぬり重ねていく、生きるという事の意味さえ よくわからない、人間共よ。
人は、誰とでも、仲良くなれるのですよ。
いつか、きっと、皆んな、仲良く!!
とっつぱれ
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