361人が本棚に入れています
本棚に追加
/229ページ
そこに親友の首を見つけると、少女は笑った。
涙を浮かべながら……、悲しそうに笑った。
そして突然笑い声は、慟哭へと変わる。
誰もいない村に少女の悲痛な声が響いた。
どれくらい泣いただろうか。
急に少女の声は途切れた。
疲れたのでは無く、泣けなくなっていた。
喉に突き刺さる『矢』、それを確認したときには、無数の矢が少女の細い体を貫き、命を絶った。
村にはもう『人』はいない。
この日、この村は死んだのだ。
最初のコメントを投稿しよう!