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「いやああ!止めて!」
目の前で泣き叫ぶ恋人…
俺は…何も出来なかった…
自分の力の無さに…悔しくて…悔しくて…
「はっ…またあの夢か…」
大学時代に強姦に襲われ自殺した恋人。
俺、名取亮介は未だに引きずっていた。
だから刑事になったんだ…
彼女のような被害者を出さないように…
それが…せめてもの償いだから…
「名取おはよう」
「おはようございます」
「ちょっと…いいか?」
そう言って署長室に呼ばれた。
「君は若いのに優秀な刑事だ、君に今回の事件の指揮を取ってもらいたい」
「どのような事件ですか?」
そう問いかけると一枚の紙を渡された。
そこには有名なデザイナー山本紫音の顔写真と詳細が書かれていた。
「実は彼女が誘拐されたらしい」
「誘拐!?」
署長の話では仕事の打ち合わせで事務所に行って帰宅後行方が分からなくなった。
有名なデザイナーだから誘拐の可能性が高い。
「犯人から連絡は?」
「今のところ身代金の連絡はない、だからこそ早急に発見が必要だ」
すでに捜索願いは出されてる。
事が公になる前に犯人を逮捕したい。
俺はその捜査の指揮をするのに同意した。
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