天元。

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天元。

「この一手…最後とみた。」 その時・・・天がまばゆいた。 そして、熱風が勢いよく 私と碁石を飛ばしたみたいだ。 碁盤はもう燃え尽きた。 そうだ。私が生きているこの時代は空から雨が降るのでは無く、 鉄の爆弾が降るのだ。 しかし、今回のはいつもと違った。 私の着ている… 着物が皮膚にくっ付いてる。 右手の指はもう使えぬ。 「私が歩んだ、この道は間違っていたのだろうか… こんな時代ではなく… 平和な世に生まれたかった。 人々に囲碁は幾千年打たれてきた。 それなのに… 私が打てた時間は ほんの…ほんの…五年…だっ! もっと打ちたかった… 「我が石よ。」 この右手に最後まで…白か黒か 最後に打った。 ”天元。“ いつかは看破するもの現われるか…。」
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