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「まあこんなもんだろ?」
俺は自分なりに満足いく高さまで城を作ると、そろそろ暗くなってきた事もあり、手を洗ってから家の中に向かった。
……へへ、美砂ちゃんが喜ぶ顔が目に浮かぶね……
「あらら~、そんなにニヤついちゃってどうかしたのかしら~?」
……しまった、なるべく見られたくない人に見られてしまった。
家に入ると、玄関でニヤニヤしながら綾さんが立っていた。
……しかしそれを言ったら綾さんだってどうしてもいつもニヤついてるんだろう?
人生楽しそうで羨ましいなあ……
「いや、たいした事じゃないですよ?」
「そう~?ならいいんだけどね~」
相変わらずな口調でそう述べるが、綾さんの視線は変わらず俺の方に向いている。
「ん?まだ用ですか?」
俺が尋ねると、綾さんはニヤつき度をマックスにして俺に近付いてきた。
そして俺の両肩を掴み、耳元で一言囁いた。
「さっき沙羅ちゃんの部屋で何してたのかな~?」
思わず身体がびくつく。
えっ、まさか知って…?
「やっぱり何かしてたんだ~、梢さんの反応がおかしかったのよね~」
……探偵になる事をオススメします。
ヤバッ、俺のせいでばれたのか?
でも、俺に鎌掛けてるって事は、内容までは知らないよな?
なら、隠し通してみせる!
「さ~て、何があったのか教えてもらおうかしら~?」
俺と綾さんの何かしらが目的な何かしらな勝負が始まる!
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