剣を持つ眼鏡

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「ふわぁぁ……よく寝た」 俺はベッドから眼鏡を取り、携帯の時刻を確認する。 《6:34》 まだ、起きるにはちょっと早すぎたようだ。 かと言って二度寝すると、遅刻になりかねない。 いくら携帯のアラームを準備しても二度寝した後に起きるのは、俺の性格からしてほぼ無理だった。 現に俺は何回も遅刻している。 たまには早く学校に行くのもいいか、と軽く食パンに苺ジャムを付け、制服に着替える。 最初の頃は、制服に着替えるのも手間取ったが、3年の11月ともなると手っ取り早く出来るようになっていた。 テレビを回し、お気に入りのニュース番組の占いを見る。 8位だった。 はぁ、なんか微妙だ。 「8位のあなたは今日1日、驚くような事があるでしょう」 どっかのSOS団の雑用係や、書いただけで人を葬るようなノートを持つような事が起きる訳じゃないだろうし。 それに『アイツ』の言葉を借りるなら、「もう11月、イベントは殆どクリスマスまで無いんだよ………」 って感じだろうな。 要するに、高校3年でしかも11月。 もう高校生活で何か起きるような時間は無いんだよ。 平和が一番だからな………。
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