3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
気付けば一番そばにいる。
そんな存在。
「………メ…アヤメ!!」
「ん~……海??どうしたのそんな大声だして……??」
安眠の世界から現実へと彼の声で引きずり戻された。
「大声だしてってお前はいつまで寝る気だよ………。」
起きたばかりでまだ頭が回らないあたしに、海は少し呆れ気味のようだ。
あたしはぼけーっと窓の外に目をやった。
青いはずの空がもう、オレンジ色に染まっていた。
「ってえぇー?!!!」
あたしは驚きおもいっきり立ち上がった。
「お前、ずっと寝てたからなぁ~……。」
「起こしてくれればよかったのにぃ……。」
「あまりにも気持ち良さそうだったからよ……。」
少し膨れっ面で言うあたしに海はボソッと、そう呟いた。
こんな時間まで海はずっと待っててくれたんだ……。
忘れようと思っていた想いが溢れだしそうになった。
あたしは海を好きでいることを諦めようとしていた。
海には好きな人がいる……。
何度も相談にのってるんだ。
だから……あたしは海への想いを封印していた。
.
最初のコメントを投稿しよう!