序章

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 ――トウテン国――  四大国の東に位置し、暗色系の髪と瞳を持つ人々が暮らしている国。  この国の片田舎。周りには家や建物や人々もいず、ただ自然のみが存在する場所に、一つの孤児院があった。  まるで隠れるように、その孤児院は存在している。  この孤児院に今から七年程前、一人の孤児の子が連れてこられた。  トウテン国人特有の黒髪と、珍しい青い瞳の男の子が。  この赤ん坊は、別の孤児院の門の前に捨てられていたのだが、この孤児院の人により、半ば誘拐のような形で連れてこられた。  何故かというと、この孤児院には他と違う秘密があったからだ。  それは子供達に、とある職業へつかせるための養成所。  元気が良く、才能がありそうな孤児の子を、とある職業…つまり、“盗賊”に育て上げる事だった。  名を“サスケ”と付けられたこの男の子も、この特殊な孤児院の盗賊達のお眼鏡にかない、ここで七歳まで他の子供達と一緒に育つ。  孤児院の修業はとても厳しく、何人かの仲間が脱落していったが、残った仲間と一緒にいる事が、サスケにとってはとても楽しい日々だった。  ――そして、サスケはこの地で、師匠と呼べる人と出会う――image=90296904.jpg
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