月と桜のワルツ

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宵の月と桜 その要素で世界は華やかにもなり儚くもなる 明かりが照らし風が吹く 世界は彩られ動き始める くるくるくるとワルツを踊る優美な女性 軽快なステップ 華麗な振り付け 楽しげにリズムを口づさむ ラララ ラララ ララララ~ 暝漠とした森の中で月光の一縷の筋がスポットライトのように彼女を照らすと妖艶な輝きを帯びた 春風で桜が靡けば吹雪となり彼女を包むとより幻想的な淡い光景が生まれる 響く笑い声 振り撒かれる微笑み 渦巻く心と舞い散る桜 蝶となって 華となって ヒラヒラと舞う彼女 軽やかに!軽やかに!軽やかに! 優雅に!優雅に!優雅に! 情熱的で 哀愁を含む 三拍子の鮮烈なる旋律 クラシカル リズミカル 心揺さ振られ燃え盛る 「アハハッ、ねぇ!見て!見て頂戴!綺麗、綺麗でしょう」 「ご主人!素晴らしいです!ファンタスティックです!もう、私が連れ去りたいくらいです!そうですね~、月と桜のワルツとでも言いましょうか。華やかで幻想的でクラシカル!でも、少し端奢ぎ過ぎですよ。こうも肌寒いとお身体に障りますから、そろそろお控えにならないと」 「あら、別に良いじゃない、私は大丈夫よ。それにこんな風情を感じられるのは今だけなんだし」 「そう言って、先週風邪ひいて大変だったじゃないですか~」 「そうだったかしら、 タララララ!タララララ!」 「そうですよ~!あれ?ワルツにしては少し激しいですね」 「そう?ねぇ、この状況にエッセンスを加えるとしたら何だと思う?今の儘だと何か足りないのよ」 「エッセンス?足りない?・・・う~ん、何でしょう?」
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