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終業のチャイムが鳴り、今日の学校は終わりを告げた。
「朱美と買い物の約束をしていたっけかな?」
今日は掃除もないので校門に向かう。
教室を出て、校門に向かっていたら後ろから元気のいい声が聞こえてきた。
「お兄ーーさーーん。どーん!」
俺の背中に強烈な衝撃が生まれていた。しかし何故だかあまり痛くなかった。
「あれ? お兄さん生きていますか?」
倒れてしまったので立ち上がりながらその衝撃の正体を見る。
「と、智ちゃんか。いきなり背中にローリングソバット決めないでよ」
笑いながら
「親しき仲にもローリングソバットありですよ?」
「言わねーよ! ……なら今から縁を切ろう。そうすればもうローリングソバット食らわなくても済むし、ね?」
智ちゃんは焦りだした。
「嘘です、嘘ですから縁は切らないでー」
「あはは、嘘だよ。それで、なにかあったの?」
「もう、心臓に悪い嘘つかないでくださいよ。えっとですね、最近朱美ちゃんが元気がないのできっとお兄さんのせいかなって思って尋ねにきました」
元気がない? もしかして彩鳥が家に来たからかな……でもあれは解決したよな。
「うーん、分かったよ。今日、一緒に買い物行くから元気付けてみるよ。ありがとね、朱美のこと気に掛けてくれて」
「いえいえ、友達ですから当たり前ですよ! それじゃ頑張ってくださいねー」
別れを告げた智ちゃんはもの凄い速さで帰っていった。
「元気良すぎだろ!? まぁ無いよりはマシか……マシなのか?」
遅れると朱美に悪いから急がないと不味いかもしれない。そう思い急いで校門に向かった。
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