第二十五章~囚われの翔と一族の悲願~

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 千早の家に着き、千里の案内を乞うて、恵風を訪ねる。翔を奪われた衝撃が続いていたものの、湍水の顔を見て落ち着きを取り戻した。  「すみません。翔を……。」  湍水は、何も言わなかった。恵風がどれだけ苦しんでいたのか、見れば解った。  「貴方も、翔の身内なのに……。」  衝撃は同じはずだ、と恵風は更に申し訳ない気持ちになった。  「確かに衝撃的です。でもそんなに悔やまないで下さい。いえ、悔やんでいる時間が勿体無い。翔を……取り戻しましょう。」  湍水の静かな声に恵風もハッとした。そして、強く頷く。  「解りました。」
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