「まさかこんなことになろうとは…」

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小さな洋食屋に勤めていた僕は、久しぶりに連休を頂いたので、その日は遅番でしたが、仕事が終わると行き先を決めずに車を走らせたのでした。 ひたすら北上した後に、疲れも溜まっていたので温泉に行くことに決めた。 そこから1時間ほど走ると、目的の温泉街に到達した。 この辺りは、何度か湯治に来たことのある温泉街で知った温泉や飲食店も在るのですが、いかんせん到着が夜明け前の為に、どこも閉まっていて辺りは真っ暗です。 入浴や食事するのを諦めて温泉街から少し離れたショッピングセンターの駐車場で仮眠を取り翌朝に備える事にしました。 うとうとしている内に5時間くらい寝ていたようで、すっかり辺りは明るくなっていましたが、あいにく今日は曇りのようで、すっきりとした天気とは言えない空模様です。 しかしながら久しぶりの温泉旅行なので、天気を気にする事も無く素泊まりの宿を探しチェックインし、すぐに温泉巡りに出掛けました。 足湯を2箇所に入浴した後、食事休憩を取ってから、通常の温泉の2箇所に入浴した。 最後に入浴した温泉の休憩所で一息することにした。 しばらく休憩した後、お腹も減ったので近くの居酒屋で地元の酒と料理を堪能して宿に戻った。 「お帰りなさい」と宿の受け付けの人に声をかけられて「ただいま」と返事をして部屋に戻った。 布団に入り眠りに就いた………しばらく寝ただろうか、尿意を感じて目が覚めた。 起き上がりトイレへと向かうと、他の宿泊客(多分、20代位の女性かと思われる)とすれ違い会釈をする……が、すれ違った時に少し冷めた空気が通り過ぎて行った。 気のせいに思いトイレを済ませて部屋に戻り、再び眠りに就いた。 翌朝、よく眠ったようでスッキリと目が覚めた。 顔を洗い荷物を整え、チェックアウトするために宿の受け付けに行くと、昨日の夜にすれ違った女性が気になり受け付けの人に聞いてみるが、「昨日の宿泊客は、お客様と40代男性の2人だけですが」と言われた。 ……『そうなんですか?(確かに、20代位の女性とすれ違ったはずなんだが…)』、心の中で思いつつ聞き返したが、同じ答えが返って来た。 昨日すれ違った女性は一体……気にはなったが、また明日から仕事が始まるため、家族への土産を購入して早めに家へ帰る事にした。 ところが…
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