隠された歪み

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創るとはいっても一から創る訳ではなく、元の斧の半分の長さの物を二本創り、状況に応じて元の一本に戻したり二本にしたり出来るようにしただけなので、作業自体はすぐに終わった。 それだけ事なのだが、何故かバルトはお拝むように手を合わせながら礼を言ってきたので、慎二はそれを軽くあしらう。 バルトは終始、リンに白い目で見られていた。 「じゃあ、次。誰だ?」 とりあえず手頃な片手剣を創り、慎二は訊く。 「じゃあ、私で!」 そう言いながら名乗りを上げたのは、ミレイだった。 手には慎二が渡した短剣があり、準備は万端らしい。 「それじゃあ…行くぞ?」 慎二の言葉に、ミレイは頷く。 それを見た慎二は、ミレイに向かって駆け出した。 「はあっ!」 掛け声と共に、ミレイは短剣を投擲する。 慎二に向かって真っ直ぐ飛ぶ、単純な投擲。 慎二はそれを左に跳んで避け、慎二はミレイに向かって駆け出そうとするが、そこに再び短剣が飛来する。 ……ミレイ、気付いたな。 慎二は片手剣で短剣を弾き落としながら、ニヤリと笑んだ。
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