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このままだと口げんかに発展しそうだった故、空を見上げた。
暗い空の大部分を、灰色っぽい雲が覆っている。その隙間から、わずかに白い点が覗いていた。
「……鋼介」
不意に呼ばれた。下の名前で。
「何だ?」
「……」
「……名前で呼んじまって照れてる?」
「バッ……違うわよ!」
うわ~、分かりやすい。
真っ赤になったユーリは、すぐにわざとらしい咳払いをして、
「……もうすぐで期末試験だけど、あんたは大丈夫なの?」
何じゃそりぁ~~~!(松田優作さんの口調で)
「き、期末試験!?」
「聞いてなかったっての?」
「いや……何ソレ?」
「期末試験は期末試験よ。それ以上でもそれ以下でもないわ」
「それは分かる! オレが聞いてんのは、いつそんな話がされたか、ってことだ!」
「右京先生が言ってたの、聞いてなかったんでしょ」
「……」
「ザマ無いわね」
軽くあしらわれた。ちょっと目頭が熱い……。
そうこうしてる内に、寮に着いた。
「じゃ、せいぜい頑張ることね!」
本当に軽く言って、ユーリは建物に入っていった。
「……」
赤点のリーダー……。
起爆剤なんて代物には、なれそうもない。
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