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汗でベットリと濡れた服。
それは気色の悪い感覚で肌に吸い付く。
その上には軽い鎧を纏う。
肌を伝う様にして、熱い身体を生暖かい何かが流れた。
流れるそれを見る事もままならない男は、もどかしさを抑えて空を見上げる。
しかし密集した人の頭が広い空を狭くし、それさえも満足にはいかなかった。
激痛が、苦しい。
ああ、ここで死ぬのか。
全てが、終わるのか。
何も成しちゃいない。
何も遂げちゃいない。
ああ、これが、戦争か。
空は暗く、ぼやける視界に映ったままだ。
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