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「姉ちゃんおはよー」
勝は台所に向かうと元気よく強子に挨拶する。
ダンダンダンダンダンダン!
「おはよう勝!!」
ダンダンダンダンダンダン!
強子は包丁を片手に、キャベツを素晴らしい速さで千切りにしていた。
強子の得意技は『高速千切り』。得意技というよりはもはや趣味と化している。
そのため勝はほぼ毎日、千切りキャベツを大量に食べさせられていた。ちょっぴり飽きちゃうけどこれで便秘にならずに済むね。
ちなみにこの千切りは母親ゆずりの得意技。
勝と強子の両親は遠くの県に住んでいる。
父が仕事のため転勤になった時、母は自分の子供たちよりも自分の旦那を選んだのだ。薄情者め。
姉の強子が短大を卒業しこの春から就職したため、強子はこの一軒家を任された。よっ大黒柱。
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