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「目が覚めたらしいな?もののけ。」
その声が聞こえた方向…襖に目を向けると、眉間に皺を寄せた男が自分を見下していた。
その隣には、先程の男。
「二・三、質問したいんだが…」
そう言うと、部屋に入ってきて畳に胡座をかいた。
その男を睨む。殺気を込めて。
もし怯んだら、殺して逃げてやろう。
そんなことを考えていた。
が、見事に打ち砕かれた。
「…睨んでも、恐くねぇよ。質問に答えやがれ。」
正直驚いた。
あの忍達でも、睨めば気配に動揺が見られた。
それなのに目の前の男は、仏頂面でそんなことを言ったのだから。
この男、強いな。
直感的にそう思った。
フッと鼻で笑い、答えた。
「良いじゃろう。おぬしら、儂に何が聞きたい?」
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