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鈴城鹿の子15歳。
私の1日が今日も始まる。
リビングに入ると見飽きた美形揃いの顔がテーブルに並んでいた。
ストレートの黒髪でシャープな顔立ちにふっくらした唇人目をひく背の高さはモデル並なのが姉の鈴城穂波。
薄茶色の髪に切れ長の瞳に端正な顔立ち、中性的な雰囲気で道を歩けば誰もが振り向くのは兄の鈴城悠介。
黒髪に少し垂れ目がちでスマートな輪郭、どこをとってもパーフェクトこれで3人の子持ちには見えないのが父、鈴城充。
そして私が末っ子鈴城鹿の子。才色兼備な家族に囲まれた私だけがいわゆるフツーの女の子。黒い前髪は目にかぶりそうなくらい長くてそこから銀縁の眼鏡が覗いている。
「そういえば穂波と悠介は今日から出張なんだっけ?」
朝食のパンをかじりながらパパが尋ねた。
「そーなの。海外なんだけど…長期出張になりそうなのよ。」
「俺の方もプロジェクトの関係で長くなりそうだな。」
ちなみにお姉ちゃんはファッションデザイナーの仕事。
お兄ちゃんはIT関係の仕事をしている。
ついでに父は建築デザイナーの仕事をしている。
「お土産楽しみにしてるねっ!」
「はいはい、言われなくてもちゃーんとかののお土産買ってくるわよ。」
「そういえばかの、学校はどう?俺達の母校はどんな感じだ?」
「あ…ぅっ、うん、楽しいよ!」
私立桜ヶ丘高校は兄と姉の母校。
今年の春に私もそこに通いはや2ヶ月なんだけど…
二人は見た目からして目立つ、もちろん高校でも有名な「鈴城兄弟」。
だからその二人の妹が入ってくるとゆう事で私への期待が半端なかった。
ただ皆が心待ちにして実際やってきたのは至ってフツーの私。
(憂鬱だ…)
入学して2ヶ月たった今でも比べられてしまう。
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