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「何か良いことないかなぁ?」
青い空を見上げて、すごく小さな声で呟いた少年。
「こら戸塚!ぼーっとしてないで、この問題を解いてみろ!」
少年の名前は戸塚羽瑠(とつか はる)。夢が丘高校に通う、ごく普通の2年生だった。
勉強はどれをとっても欠点ギリギリで、運動も苦手。
どのくらい苦手かというと、側転はおろか、前転後転すら満足に出来なかった。
今は数学の授業中。
先生にあてられた羽瑠が、この問題に正解することがないのは、クラス中のみんなが知っていた。いつもなら…。
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