2、変化

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2、変化

 両親はいつも仕事でいない。  家に帰ると手紙があって、用事などが書いてある。  手に取り愕然とする。 「おかえりなさい、来月の初めに転勤が決まりました。学校には伝えてあります。言いたいこともあるだろうけどこれは決まったことなのです。 友達には心が決まった時に伝えてください」  一瞬わからなかった。  部屋に一人篭り、言葉を受け入れなかった。  数時間が経って理解しても受け入れることができなかった。 「なんて身勝手な親だろう」  小さく心の中で叫んだ。  布団の中で涙を流して君に何を告げるか考える。  考えても考えても君の顔が言葉をかき消していく。  翌日、遊んでいる間も君の顔を直視できなかった。  心配をしてくれる君に僕は「何でもないよ」と作り笑顔を返す。  学校で他の人は、と考えるが君に届くことが怖くて誰にも言えなかった。  担任から呼び出され、転校の事を聞かれるが「僕が話します」と君に知られることを恐れた。  結局当日まで僕は皆に転校のことを告げることができず、日々が過ぎていった。  そして今日、転校する日……担任から皆に転校することが伝えられる。
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