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小さなソファーとテレビが置かれた楽屋で志津里と佐川は事件当夜のニューストレインを繰り返し見ていた。
事件発生時の前後10分にスポットを当てて志津里は佐川が見た事ない様な真剣をテレビに向けている。
佐川は繰り返される映像を長時間見ている事で集中力が切れ始めた。
「志津里さん…あの…」
志津里は反応しなかった。
「志津里さん…」
「あっ、何?」
少し我に返り志津里は口を開いた。
「すみません、一昨日からずっと寝てないんで少し仮眠していいですか…」
もちろん、上司を前に大それた願いではあったが、佐川の疲労はピークに達していた。
「いいよ、別に。朝まで寝てても。明日ちゃんと頑張ってくれるんなら。おやすみ」
それだけを言うと志津里はまたテープを巻き戻した。
この人も寝てないはずなのに、やっぱりすごいな…佐川は実感すると意識はそこで途切れた。
そして、佐川は目を覚ました。
志津里は食い入る様に見ていた時と打って変わって深くソファーに腰かけている。
「おはようございます…」
目を擦ってゆっくりと身体を起こす。
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