《第1章》気づき

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「大樹!待ってよ」 結衣が玄関を勢い良く開けると、涼しい顔をした大樹が自転車に跨っていた。 「遅いぞ、結衣」 「散々待たせた癖に!」 大樹の余裕発言に腹を立たせながらも、結衣は鞄をかごに入れて大樹の後ろに座った。 「行くぞ」 大樹はそう言うと、結衣を乗せて自転車を走らせ始めた。 「いってらっしゃい!気をつけてね」 「行ってくる」 「行ってきまーす」 母親が玄関で2人乗りをした自転車に手を振った。 これが毎日の始まりだ。
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