キングとキング

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私がベッドに倒れ込むと 案内してくれた人が笑ったのが 聞こえた…。 仕方がないじゃない… 女の子は絶対お姫様に憧れるわ? 【恭華様。喜んで下さって 誠に嬉しいです。 しかし、一寿様がおられる時は 寝室で寝るのが条件でして、 それが出来ないのなら、この ベッドは取り外すと一寿様が おっしゃっていました。】 …なんと…。 そんな条件があるなんて…。 「分かったわ?ありがとう。 私、お風呂に入りたいのだけど、 お風呂は何処かしら…?」 【そちらのドアを開けて 貰いますと脱衣室と ウォシュレット、 その後にお風呂場があります。】 「ありがとう。それじゃあ お風呂に入ってくるわね。」 【はい。ごゆっくりどうぞ。】 私はベッドから立ち上がり、 お風呂へと向かった。 【あの…!恭華様。】 「何かしら。」 【あの…。着替えの準備をされて ないように思われますが… …勘違いでございましょうか…】 「あ…ごめんなさい。 私、脱衣室にあるのかと 思っていたわ? 私の着替えとかは 何処にありますか?」 …実際は、脱衣室にあるとか 考えずにいた… 恥ずかしくてとっさに、考えて いたように嘘を付いた。 【すいません。お知らせ しておりませんでした。 そこにあるクローゼットには 洋服をかけております。 お風呂での着替え等は そちらの白いチェストに 入れて置きました。】 そう言ったので、私は白い タンスに目を向けた。 「ありがとう。ごめんなさい。 手間を取らせちゃって…」 それから二言ほど、話してから 案内してくれた人は部屋を出て 私はタンスを開けた。
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