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「そうだな……そうするよ」
僕はあっさり頷いた。
絵理にそう言われると、素直にそうしないといけないような気がしてきた。
明日ちゃんと謝って、もう一度藤井さんと話し合ってみよっか。
それにしても、久保圭吾……。
もう二回目の直木賞候補になるとは、悔しいけど驚かされた。
これで一回目はまぐれだったわけではないと証明されたわけだ。
運が良ければ、次で直木賞を取るかもしれない。
そうなっても僕は何も言えない。
作品さえ作ってない奴に何も言う権利などない。
僕が今あいつに対抗できることは、あいつが書いた作品以上の作品を作り上げて、次の直木賞に備える。
ただそれだけしか残されていなかった。
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