61829人が本棚に入れています
本棚に追加
/1100ページ
相変わらずの日々を過ごしていた。
物語が思い付かず、焦りばかりが募っていく。
考えすぎて頭がどうにかなりそうだ。
藤井さんが言ったように、架空の世界を作って、それを舞台にした戦争小説を作ってみることも考えた。
実際、そっちの方が色々とアイディアは浮かんできたし、僕らしい小説を作れそうな気配もあった。
でも、やっぱり、直木賞のことを考えると、気乗りはしない。
読者ウケの良いエンターテイメント小説と受け取られたら、どんなに売り上げが良くても、直木賞は取れないだろう。
きっとあの爺さんも納得しない。
このまま何も書かないよりはマシなことは分かっている。
けど、僕はいまいち踏ん切りがつかず、どうすればいいのか迷っていた。
最初のコメントを投稿しよう!