小さな国

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二人の王子は生まれた時から、赤子の時からオッドアイを受け継いでいた。 オッドアイを受け継いでいない姫。 それでも我が子には代わりはなくて、王と妃は溢れんばかりの愛情を注ぐ。 二人の王子も妹を可愛がった。 姫はたくさんの愛情を注がれながら、優しく、明るく、賢く、そして美しく成長していく。 姫は幸せだった。 たくさんの幸せに囲まれて、たくさん幸せを貰い、毎日が幸せだった。 でも幸せな時間はやがて止まり、音をたてて、目の前で崩れ去っていく。 民の立場になって法を敷き、民の生活が良くなるよう改革を進め、民から信頼を得、民に好かれた王が 妃や王子、そして姫からも厚い信頼と愛情を得ていた王が 死んだ。 青の瞳から真っ赤な血を流し、痛みから顔を歪め、苦しみから血を吐き、恐怖から紫の瞳に涙を溜め、うめき声が絶えることなく。 王族のかかりつけの医者は、見たことのない症状、苦しみようにどう対処していいのか分からず、それでも様々な薬を飲ませ、様々な処置をしたが、王を苦しみから救うことはできなかった。
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