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壱月某日、土砂降りの雨
雨戸を震わす程の雨風だったはずである…しかし私は、音を感じていない事に気がついた。
点いて居たはずのテレビ、薄いはずの壁、鳴り響いているはずの雨音。しかし辺りは不自然な程にキーンと静まり返っていた。
突如として携帯がけたたましく電子音を鳴らす、と共に外の雨音の強さにも気付く。
「もしもし」
「そちらは吉田 諒介さんの携帯でよろしかったでしょうか?」
「そうですけど?」
「彩乃の兄の慎です。」
何っ!!
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