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真っ暗な世界に、私はいる。
眼を開いている筈なのに、なにも視えない。
一筋の光も。
歩いても歩いても、なにもない。
歩みを妨げるものも。
ここに存在するのは、果てのない、この闇と 私だけ…。
小さく、声が聞こえる。
―誰かいるの?―
よく耳を澄ましても、壊れたラジオのように、ノイズが酷い。
それに、遠くにいるのか、何かに阻まれているのか、
小声で、よく聞こえない。
何も無い、深い深い闇の中、独りだけ。
暗闇は、自分すら映すことを許してくれない。
…
私は本当に眼を開いているの? 本当に立っているの?
ちゃんと耳を澄ましてる?
自分が何をしているのかすら、判らないのに。
ねえ、どうして私、ここにいるの??
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