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花の都パリ
「おかえりなさいませお嬢様」
たくさんの老若男女が声を揃えて私の帰宅に声をかけた、私は軽く一礼して自室に入った。
「おかえりなさいませお嬢様」
今度は老人だけの声が聞こえる。
「ええ、今日はどうしたの?お見合いの話なら嫌よ」
「察しがよろしいですね、流石お嬢様。お見合いの話です」
バドラーが差し出した四角い写真を右手で払いつつ、ベッドに倒れるように横になる。
「わかった、見ておくから置いておいて」
「必ずしも拝見下さい」
バドラーが部屋から出ていく。
見合いの話は今月の走りだと言うのにもう八件目だ。
前のボンボンの旦那と別れてからというもの親族から見合いの話ばかり、いい加減嫌になってきた。
「バドラー車を出して、出かけます」
「かしこまりましたお嬢様、少々お待ちを」
さて、今日はとある店の新作が発売の日だったよね、早速食べに行きたいから常に一緒にいるバドラーを撒かなければならない。
彼が車を出している間に、窓から抜け出した。
「よし、行きますか」
自分の唯一の楽しみまで奪われてはかなわない、早速食べに行く事にしよう。
以外に軽い身のこなしで、早速庭を抜けると、歩き始めた。
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