第二小節

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あの再会から2ヶ月後、またしてもシノから連絡があった。 「あさって、夜空いてるか?」 どうせまたボーリングだろう。 「バイトだよ。」僕もそこまで暇じゃない。 「なんだよ~!あさっては何がなんでもあけとけよ!!」 「なんで?」 「それはお楽しみ!じゃ!」 電話は切られた。なんだよ急に…勝手な奴だな。合コンか…? そんなことを考えながら僕は携帯の画面を見つめていた…。 僕はバイト先へ電話し、店長に拝み倒してあさってを休ませてもらった。 そして二日後、シノから連絡があった。どうやら駅の近くの居酒屋にいるらしい。大学での授業を終え、僕はその居酒屋に向かった。 居酒屋に入り、店員に待ち合わせだということを伝えると、奥から顔を赤くしたヒデボーがやってきた。 「おそかったじゃん!」 「授業が長引いちゃってね。」 「そっか。まぁ来いよ!」 促されるまま、店の奥へ向かった。なぜかヒデボーは少しニヤついていた。 なにか怪しい…。しかしその疑念はすぐ晴れた。目に飛び込んできた光景は驚くべきもの、いや人物達だった! なんと中学のときハモりをしていたメンバーたちが全員そこにいたのだ! ケイタ、マル、アイタ…懐かしい面々だ。 「久しぶりぃ~!」僕は久々の再会で興奮し、居酒屋にいることを忘れ大声で叫んでいた。 「久しぶりやね!元気してたん?」とケイタ。関西弁だ。 「久しぶりぃ」とアイタ。相変わらずイケメンだ。 「タニシ~」とマル。大人っぽくなっている。 僕は喜びでその場に立ち尽くしていた…。「とりあえず座れよ」というシノの言葉に促され、僕は席についた。 …懐かしすぎて何から話していいかわからない。マルが気をきかせて「何か飲む?」と言ってくれたので、「とりあえず生」ととっさに言った。 久々の再会と、お酒が入っていたこともあり、みんなの近況や昔話で盛り上がった。 ケイタは関西の某有名大学に通っていて、豪快な性格と筋肉質な体、鼻が怪しくなる癖は相変わらずだ。 アイタは調理師を目指し専門学校に通っているという。ハンサムな顔に似合わない変わった性格は、今もみんなを爆笑の渦に巻き込んでいる。 マルは昔から人懐っこい性格で、多少強引な所もあるが、みんなを引っ張ってくれていた。しかしそんな性格のためか、シノとは対立することもよくあった。今は車関係の仕事をしているらしい。
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