7948人が本棚に入れています
本棚に追加
/422ページ
「本当ですか?
私に遠慮しないで下さい。」
真由奈さんに嘘を吐いて欲しくなくて念入りに聞くと、真由奈さんは再度首を振った。
「なら、なんであんなに悲しそうな顔を……?」
私から見たら、失恋をした女の子のようだった。
「それは…、不謹慎ですが…侑弥様のことを考えたら…少し可哀想だと胸が痛んだだけです。」
真由奈さんが長い睫毛を伏せ、小さな声で言った。
侑弥くんが可哀想…?それって、その…。
「ま、真由奈さんっ…!
それって………!
侑弥くんのこと……っ」
私が興奮気味で言うと、真由奈さんは先程よりも顔を朱に染めた。
「い、言わないで下さい言わないで下さい…!違います!断じて違いますので…!」
「でも私から見たら、それは……。」
「蓮華、もうそこまでにしてあげて下さい。真由奈にも色々あるんですよ。
ほら、行きましょう。
真由奈、後で部屋に飲み物を持って来て下さい。」
「かしこまりました。」
「え…っ、ちょっと彰弥くん…。」
真由奈さんは彰弥くんに一礼して、私は彰弥くんにグイグイ引っ張られ、真由奈さんから遠ざけられた。
「彰弥くん…!
私まだ真由奈さんに聞きたいことが…。」
「蓮華、1分はとっくに過ぎてしまっていますよ。」
「彰弥くん…。」
もっと聞きたかった。
別に興味本位でっていうわけじゃない。
だって、もしそうだったら…
私の考えていることが当たったら…
それは、とても素敵なことでしょう。
最初のコメントを投稿しよう!