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壊したい、現実を、この腐りきった世界を。
ボクは、ふとした瞬間、そんな感情を覚える。
とくになにか理由があるわけじゃない。(多分だけれど)
とにかく。
ボクはこの世界に居たくないんだ、と思う。
そんな感情をもっていたって、この世界に生まれたんだ。
今更どうしようもない。
(ボクを生み出したマスターに失礼だとは思う。けれど感情というものは出来たら消せないんだ。仕方ないだろう?)
ボクは生物的にも物理的にも、ヒト(人間)ではない。
生きている「物」だと思ってくれればいい。
実際、君は一体何なんだ、と聞かれても、マスターに聞いてください、と答えるだろう。
ボクはボクが解らない。
ただ、生きている「物」だと、それだけを教えられた。
ああ、ボクが何物なのかという、そんな話はどうでもいいんだ。
ボクが言いたいのは、今持っている感情、この世界を壊したい、これだ。
しかし、だ。
そんな感情を持っていて、何か変わるわけでもない。
ボクに世界を変える(ボクの想う世界)力なんて、ない。
道端の石ころを蹴った。
それで?
炭酸の飲み物を買った。
それで?
(クク、なんてくだらない。)
結果論。
ボクは今の世界からぬけだせない。
終了。
さあ、今日も、くだらない感情をもったまま、明日を待つだけだ。
ボクは自動再生ボタンと、タイマーを設定して。
シャットダウンした。
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