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7月24日
この日、健司が通っている学校が終業式を迎えた。
健司はその帰り道を、友達の未来(みく)と涼太と3人でお喋りをしながら楽しそうに家に向かっていた。
そのお喋りの内容は『この夏休みに何をして遊ぼうか?』というものだった。
というのも、健司たちはまだ小学5年生なのだ。
大抵の小学生というのは、授業中でも、食事中でも、仲のいい友達と何をして遊ぼうかと考えているだろう。
小学生は大人になってから、あるいはなるまでの事はあまり考えなくても生きていけるという最高の時代なのである。
現に健康は遊ぶことばかりを考えている。
そして、その話はこの上ない盛り上がりをみせた。
一緒に海に行こう、一緒に山に探険に行こう、お泊まり会をして遊びまくろうなど、学校からの帰り道、約15分間もの間延々と続けられた。
3人の家までの道が別れている所まで来ると全員で立ち止まり、ここでも長い間その話は続けられた。
未来の家はこの別れ道から見える程の距離にあり、話し声が家まで聞こえたのか、未来の弟が昼ごはんの時間だと未来に伝えに来た。
それで仕方なく、まだ何も決定事項がないままとりあえず1時半に公園に集合ということで、一時解散となった。
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