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何かにつけて
「俺は病気だから仕方ないだろ! お前は医者が何ともないって言ってるんだから怠けるな」
あんたは好きで病気になったんだろーが。
医者の言いつけも周囲の忠告も何ひとつ聞き入れず、すべて自堕落さが招いたことじゃん。
しょっちゅう「具合が悪い」と会社を休んではパチンコへ出掛けたりして、便利なサボる言い訳に使ってたじゃん。
食事中も布団から起きないくせに、私に暴力を振るうときはウソみたいに元気なんだねw
そう心の中で嘲笑うことで何とか自分を保っていました。
正直、死んで欲しかった。
幼い頃から憎み続け、この手で殺すことを考えたのも一度や二度ではありません。
でも成長するにしたがって、憎しみばかりでからっぽの自分に気が付いてしまった。
このままいつか見た怨霊のように、永遠に恨みを抱き続けるなんて空しすぎる。
それに発作で苦しむ父の姿を目の当たりにしたら、思わず救って欲しいと何かの神さまに祈っていた。
家族だからではなく、人が苦しんでいることに胸が締め付けられたから。
震えながら「死にたくない」と繰り返す父がひどく可哀相に見えました。
――今まで通り憎み続けるなんて無理だ。
こんなこと気が付かなきゃ良かった。
ずっと憎しみの力で自分を支えてきたのに、この先どうやって生きていけばいいんだろう……
私に人の心なんて残っていなければ楽だったのに。
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