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「さて。どうしたもんか」
神様から世界の常識は貰ってあるが具体的な地理までは含まれて無かったらしくここが何処なのか検討も付かない。
「うぅむ。とりあえず上に登って何かないか見渡してm[オォォォォォン!]…さて、野宿の準備だな」
うん判ってる。行くよ。フラグだもん。回収してくるよ。悲鳴ジャナカッタケド。
「……んで。どっち?」
小説の主人公達の様に「こっちから聞こえた!」って身体能力の上がり具合に驚きながら高速でフラグ回収しに行きたかったさ。
でもさ。不意に聞こえた遠くからの咆哮の主がいる方向なんてすぐにわからないやん?打ち上げ花火の音がしても空見上げて光ってなきゃすぐにわからんやん?
「せめてもう一回何かしらアクションしてくれりゃ判るんだが……」
内心言い訳しながらとりあえず木の上に登り周りを確認する。そんな頼みが通じたのか、僅かな閃光が視界にチラつき先程の咆哮が大気を震わせた。
「ん。あっちか…」
方向を確認して木から降りる。
「そんじゃ。身体能力の上がり具合を体感してみるか…ね!」
瞬間。小塚涼介は抉れた地面を残して消えた。
「バッカじゃねぇのぉぉ!?」
思った以上に速すぎてそんな叫びが出た。なにこれ速すぎて周りの景色ぶれてんだけど。
とりあえず速度を落としてある程度制御出来るように走る。
速度調整に必死になっていて気付かなかったが、爆発音や地響きや咆哮といった平和な日本育ちの俺には不慣れな音が大きくなっていた。
「……っとと」
急ブレーキをかけて木に隠れる。理由は目の前にある。
「クッ!まだ治らないのか!?」
「もう少し!もう少しだけ持って!?」
「魔力が尽きそうだ…!クッソ、教師陣はまだ来ないのか!?」
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