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新たな出会いと日常への別れ
「…次は蛤高校(はまぐりこうこう)前~。」
路線バスのアナウンスで、少女は目を覚ました。
通学が片道数十分はある意味辛い。
…良かった…寝過ごしてないみたい。
今日からこれが毎日続くのだから、あっさりと眠っていては先が思いやられる。
今日は4月6日。
つまり、高校の入学式だった。
少女は数十分かけまで通う、この林檎仏町の蛤(はまぐり)高校に自分で入学を希望したのだ。
少女の名前は…
果島 清音
(かとう きよね)。
おおらかさが取り柄の、ごく普通の少女だ。
見た目は少し明るいチョコレートブラウン色のセミロングのおさげ。
瞳の色も茶色。
肌の色はやや薄めで背丈は少し低め。
おっとりしている性格が外見にもにじみ出ており、可愛らしい印象を受ける少女だった。
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