罪と善悪

2/2
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
 人が生まれ、神は生まれた。  神は人を縛りつけるため、罪という枷を与えた。  罪の存在は人に善と悪の概念をもたらすことになる。  善は神に傅くこと、悪は神を蔑ろにすることであった。  罪は善を生み、人に信仰と祈りを生じさせた。  罪は悪を生み、人に無知と混乱を植え付けた。  人は己の無力さを嘆き、神の力を、罪を、畏れた。  善は悪を、悪は善を、人は神を、神は人を、世界に縛り付けた。  罪は世界を定めた。  世界は罪に染まる。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!