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いったい、あの楽しかった日々はどこに消えてしまったのだろうか
1934年のあの夏以来、私は一度も笑ったことが無い
八月のあの日、私はいつも通り山奥の小さな分校にあいつらと何気ない会話をしながら登校していた。今年の夏祭りの話題で盛り上がっていた
あの時、必ず明日の祭に行こうと約束したのに…なぜ、あんなことが…
その日は授業も午前中で終わりだった
授業中に聞えたあの音は、悪魔たちがもうすでに来ていたのだろうか
その後、授業も終わり、あいつらと田んぼ道を歩きながら一緒に帰った
あの時の田んぼは、辺り一面、爽やかな緑だった今でも思い出す……
あいつらと別れる際、「明日の祭、遅れるなよ」と、約束したのに……
その約束は、果たせなかった
正午に家に着き、明日、祭が行われる神社に行った
もうすでに、準備はほとんど完成していた
神社の辺りをぶらつき、家に帰った
明日の祭に備え、早めに寝ることにした
……あの時、最後になるなることがわかっていたなら…………
夜中に、物凄い音がして私は目が覚めた
あれほどの大きな音がしたにも関わらず、誰の声も聞こえて来なかった
気味が悪くなり、私は家族を起こしに行ったが、誰もいなかった
外に出ても、誰一人としていなかった
あの音が気になり、私はあの音がした方に走って行った
音がしたと思われる所には、数人の人達がいた
どの人も、いかついマスクをしていた
しかし、私は急にぼんやりとしだして、その場で倒れてしまった
次に目覚めた所は知らない病院だった
なぜ病院にいるのか、隣に座っていた男に聞いてみると、私はただ一人、村で倒れていたらしい
私以外は、村には誰もいなかったらしい
私の体は、ボロボロになっていた
なぜこんなにボロボロになっているのか聞いてみたが、見つかった時にはもうすでににその状態になっていたらしい
いまだに、村の皆は見つかっていない
見つかったものといえば、そこら中に村の者が着ていたと思われる服が、あっただけである
見つかった時の共通点といえば、服はまるで着ていた人だけがいきなり消えてしまったように落ちていたとのことだけだ
……いつになったら、村の人達は戻ってくるのだろうか
この体が、消えてしまう前に戻ってきてほしい…
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