出逢いの春

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僕の名前は大沢伊右衛門。好きなお茶はからだ巡茶。 今年の春から高校3年生、そして受験生でもある。 ちなみに部活には所属していない、何故なら先輩から誘いもうけなかったし友達にも誘われなかった、と言うか誘ってくるような友達はいない。 『あ、伊右衛門はん、おはよう!』 「京子ちゃん、おはよう!」 彼女は奈良京子ちゃん、ニックネームはゴマだれ。小学生のとき給食の時間に嘔吐したときの嘔吐物の色がゴマだれに似ていたことからそうなったらしい。それより小学生にして色を見てゴマだれが出てきたその名づけ親のセンスに脱帽である。 ちなみに彼女とは幼なじみだ。 しかしこないだクラスメイトに 『高2で出逢って幼なじみはねぇよ』 と言われた、意味が分からなかった。 『伊右衛門はん、またクラス一緒やね、よろしくなぁ、あ、私用事あるから、ほなまた明日な』 「あ、うん、じゃあね」 カタコトの関西弁がまたかわいい。何故なら彼女はここ、青森県青森市出身だからだ。 奈良なんだか京都なんだか青森なんだかしっかりしてほしいがかわいいから許す。 他の人に伊右衛門はんと呼ばれるとブチ切れたくなるが京子ちゃんになら構わない。何故ならかわいいし幼なじみだからだ。 明日も伊右衛門はんと呼ばれるのかと思うと興奮して夜も眠れない、つまり変態である。 で、今まさにその状況である。 「あ、明日テストだった!ま、どうせ1、2年の内容だし大丈夫だろ!」 そう言い聞かせ興奮しながら寝た。
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