0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「ちょっと早かったね、どっか入ろっか。」
笑いながら先に行く彼女を後ろから付いていく。
隠しているつもりだったが、どうやら顔に出てしまっているようだ。
「あそこ空いてる。」
席に着く。
しばらくの沈黙のあと、彼女がそれを破った。
「昨日楽しかったね。」
昨日、俺達は彼女、原水 悠稀(ハラミ ユウキ)のお別れ会をやった。
悠稀はこの春、就職が決まり、上京するためだ。
「あの顔、思い出すだけで…」
「あの、さ」
言葉を遮ってまで言いたかった事があるのだが、出てこない。
「何?」
「…いや、なんでもない…」
最初のコメントを投稿しよう!