アクアの詩

方程式

この前
学校の数学の時間。
方程式を解いた。

わざと消しゴム落としたフリ。
こんな俺
ダメだと思ったさ
いつもいつもさ。

そしたらさ
彼女はまたいつも通り
ワンテンポ遅れて拾ってくれるんだ。
その時に見えるうなじが
とても綺麗で……。

でも、彼女は消しゴムを僕に渡さなかった。
結局その日は返してくれなかった。

と
思ってた矢先
ある日彼女が消しゴムを落とした。
当然僕はすぐさま拾う。
だけど僕は返さなかった。
彼女の可愛らしいピンクの消しゴム。
ちょっとした意地悪。
僕は彼女の方を見てにやりと笑う。
しかし彼女はこっちを見てくれない。

なんでだろう？
あれ？
なんか挟まってるぞ？
消しゴムのケースに紙が挟まっている。

それはそれは可愛らしい文字で
不器用な貴方
裏をめくると
好き
の二文字。

今日
学校の数学の時間
愛の方程式を解いた。