終章

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だが、この素直で容赦のない性格は嫌いではなかった。沙紀が淹れてくれたコーヒーも、なかなかいい味で、好みだ。 「ところで、彼氏さんとはどうなん? 斎センセ?」 前言撤回。嫌いだこの女。 宮原はコーヒーが気管に入ってむせ返った。大丈夫ですか~? としらじらしい声が聞こえるが、無視だ。無視。何をしゃべってくれたんだ宮野、と思わずにはいられない。 そうしている間に、ポケットに入れておいた電話が鳴った。宮原は沙紀を無視する意味も込めて断りなく通話ボタンを押した。相手も確認せずに、だ。 「もしもし」 『斎様』 「ゆ……高城」 相手を確認してから出るべきだった。と激しく後悔するが、もはやあとの祭りだ。絶句して固まった宮原を、沙紀は面白そうな顔で見守っている。
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