3265人が本棚に入れています
本棚に追加
/2509ページ
『……? なぜいつものように雪隆と呼んでくれないんです?』
「馬鹿。呼べるか。いまはまずいぞ通信が正面から傍受(ぼうじゅ)されている」
『はい?』
「……真横に盗聴器が迫ってきた。悪いが切るぞ。用があるならメールを寄越せ」
『えっ、ちょっと……』
通信を切るのと同時に、宮原は自分の横に移動して聞き耳を立てていた沙紀を振り払った。
「鬱陶しいっ」
「そないなこと言わんといて。結婚式には呼んでくださいねぇ」
「誰が呼ぶか」
師匠みたいなことを言うな、と心の中でつなげて、宮原はコーヒーをがぶ飲みした。
最初のコメントを投稿しよう!