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――――ダンッ!
そして一呼吸置いたあと、軋む体を無視し髑髏へと一直線に駆け出した
「へぇ…。いい度胸だね」
ギシギシと体が悲鳴をあげて、走る俺を止めようとブレーキをかける。だけどそのブレーキすらも無視し、力いっぱい足と腕を振る
俺が動き出した途端に、周りにいた髑髏の手下達も動き出す。半分以上は叩きのめした筈なのに、まだ数多く動ける奴が残っていた。そして標的になるのは俺
まるで魚を捕まえるかのように、曲線となって俺へと向かってくる。その網の外には髑髏。あくまでも自分は出ないらしい
この状況は流石に無理がある。修は動けるが、さっきの足止めでも大分攻撃を受けただろう。俺もいつ限界が来てもおかしくはない。この網を潜り抜けられるかも判らない
「…っ」
「ぅらあッ!」
網にかかる目前で必死に抗う俺と修。躱して、投げて、蹴り飛ばせば、重力みたいに重みが増した攻撃が飛んでくる。だけど重力に抗う、抗力として跳ね返す
―――バキィッ
―――ガッ
――――ドカッ
痛いたしい音のなかに鈍い音が響いて、次々に相手が変わっていく。完全に瞳孔が開いているイカれた奴。正気だが根がひん曲がっている奴。そして髑髏の圧倒的な恐怖に怯える奴
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