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その、間の抜ける感じの造語がいたく気に召したセイはもう一度「猫一倍」と呟くと、魔女の去っていった玄関に半目を向ける。 「猫のことで目の色を変えるのは奴も変わらんではないか」 「無理からぬ事でございます。最も親の愛が必要な年頃に、お嬢様のお傍を暖めてくれたのが一匹の猫なのですから」 また昔話が始まりそうだな、とセイは人知れず考えた。 メリッサが男嫌いになった理由も未だ聞いていない。
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